FLOWERITE GALLERY
Kinkei Mine

Photograph by H.Zenzai
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採集鉱物図鑑

金鶏鉱山 長野県茅野市金沢

 金鶏鉱山の鉱物を、『蛍石探索?記−金鶏鉱山でフロー…』の補足の意味で紹介する。併せてご覧いただきたい。ただしいずれも小さな結晶、あるいは結晶形の不明な鉱物もある。色合いが鮮やかで綺麗であれば、それでも充分楽しめるし、被写体が小さければ拡大すれば良い。という訳で、簡易拡大レンズを製作して撮影してみた。画面はほとんどが左右10mm以下、時に3mmぐらいの場合もある。本心は満足しているわけではいないのだが、意外に綺麗に写ったので、これはこれで良しと、撮影そのものを楽しんでみた。
 金鶏鉱山は三波川変成帯に属し、石英片岩、雲母片岩、滑石などによって構成されている。この層状構造の顕著な各所に、熱水によって供給された石英の層があり、これに伴う雲母層、滑石層に濃集結晶している各種の鉱物を観察する。当初は綺麗な緑色を呈する含クロム白雲母によって知られていたが、小さな水晶の日本式双晶、武田信玄の時代からと推測される金と、これと密接に関わるテルル蒼鉛鉱の再確認などがあり、さらに近年は露頭の観察から日本新産鉱物の発見などがあって話題になっている。



セリウムフローレンス石 Florencite‐Ce CeAl(PO(OH)
結晶の内部が緑色のセリウムフローレンス石もある クロムを含んでいるためか 層状構造が分かる
右下に写っているような黒っぽい粉末物質が濃密に混じり合っている部分に産出することが多い
露頭からの採集は困難になりつつあると聞く だが転石からも採集は可能だ 画面左右約4ミリ











含クロム白雲母 Fuchsite(Mariposite) K(Al,Cr)2(Si3Al)O10(OH,F)2
葉片状の結晶が微細な球状に集合している 多くは石英に埋没しており結晶形は不明 画面左右約15ミリ
鉄錆が付着して多くは褐色に染まっている











含クロム白雲母・土電気石 Dravite NaMg3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
空隙があると雲母の集合が観察できる 微細な水晶と苦土電気石も伴う











含クロム白雲母
石英の薄い層に沿って割ると、時に綺麗な雲母に出会える











含クロム白雲母・水晶 Quartz SiO2
微細な水晶の上に点在する緑雲母 雲母の小球は0.5ミリ前後 水晶は2ミリほど
3ミリほどの日本式双晶もあるが、緑雲母との組み合わせは採集していない 画面左右約10ミリ











含クロム白雲母・水晶
水晶の中に緑雲母が取り込まれているように見えるが、実は水晶の背後にある
緑雲母インクルージョンの水晶は多くはない











含クロム白雲母・苦土電気石 Dravite NaMg3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
葉片状の雲母が重なっている 緑色が濃い  薄い結晶が重なっているため、絹糸光沢が美しい 画面左右約10ミリ











含クロム白雲母・苦土電気石
結晶形態が不明瞭 この苦土電気石は頗る細い











苦土電気石・水晶 Quartz SiO2
このような空隙を観察すると日本式双晶が見つかることがある 画面左右約10ミリ











苦土電気石・水晶











苦土電気石・水晶











苦土電気石・水晶
平板状の水晶がある これなどは日本式水晶の可能性が高い











苦土電気石・水晶
拡大すると、毛状細針状電気石も鑑賞の要素となる











苦土電気石・水晶











苦土電気石・水晶
細い針状の結晶が何とも綺麗だ











苦土電気石・水晶
拡大撮影すると、ピントの合う範囲が狭まるため、日本式双晶が点在していてもその中の一つだけしか写らないことが多い











苦土電気石・水晶











水晶
小さな日本式双晶を見出すのはゲームかパズルのようで楽しい 
わずか10ミリほどの空隙に数え切れないほどの双晶が林立している場合もある











水晶
ピントの合っている水晶の背後に双晶がある











苦土電気石・ルチル
放射状の苦土電気石の右下辺りに赤っぽい小さなルチルが見られる 画面左右約5ミリ











苦土電気石・含クロム白雲母
鉄錆を除去していないため、空隙の奥に褐色の皮膜がある 汚れを除去するのは良し悪しがある
試料として採っておくのであれば、汚れはそのままに残しておくべき











苦土電気石・含クロム白雲母
雲母に埋もれている電気石 電気石の太さは最大で0.5ミリぐらい 小さな結晶しか観察していない











苦土電気石・葉ロウ石
葉ロウ石に埋まって産出した苦土電気石 画面左右約10ミリ











苦土電気石・葉ロウ石 Pyrophyllite AlSi10(OH)











苦土電気石・葉ロウ石











苦土電気石・ルチル Rutile TiO
カビのような苦土電気石の上に小さなルチルが結晶している
ルチルは多くが小さな褐色の粒状 金属光沢のある赤黒い透明感のある細柱状結晶で最大1ミリぐらいまで











テルル蒼鉛鉱 Tellurobismuthite Bi2Te3
表面が平滑で光沢が強く薄い板状結晶が重なって層を成している











テルル蒼鉛鉱
このようなテルル蒼鉛鉱の微小結晶が50ミリ前後のレンズ状集合で産出することがある











テルル蒼鉛鉱
層状構造が良く分かる結晶 表面に蒼鉛土らしき二次鉱物が観察される 水晶の空隙 画面左右約10ミリ











テルル蒼鉛鉱
表面が溶解し分解変質したと推測される結晶
このごく近傍に硫砒鉄鉱があり、その二次鉱物と思しき緑色の物質が見られる
硫砒鉄鉱などの二次鉱物で観察されたのはスコロド石、毒鉄鉱
ごく少量だがコバルト鉱物も存在するのであろう、ピンクの微小針状コバルト華も観察した











テルル蒼鉛鉱











テルル蒼鉛鉱











自然金 Au ・テルル蒼鉛鉱
自然金はテルル蒼鉛鉱に接して産出する例が多い 石英中あるいは石英層の端部に単独で観察されることもある
石英中に単独で産する場合でも、近傍にテルル蒼鉛鉱が見られることが多い











自然金・雲母
雲母中の変質部に自然金が認められる特殊な例 わずかに硫化物の分解物もみられる 自然金の大きさ約0.1ミリ
以下に金鶏鉱山における特徴的な自然金を幾つか紹介する











自然金・雲母・ルチル
粒状のルチルが集合している 黒っぽい硫化物に伴って自然金が観察される 自然金の大きさ約0.1ミリ 中央の小さな粒
雲母中に硫化物の濃集部があったら自然金の有無を確認したい











自然金
沢の苔に付着している砂からパンニングで採集した 3回ほどの作業でこの程度は得られるが、粒は極めて小さい 最大で約0.3ミリ
砂金の採集に伴って残砂を観察したところ、砂鉄のほか、クロム鉄鉱、チタン鉄鉱、ジルコン、クサビ石らしき結晶も確認した











自然金
ゲルスドルフ鉱であろうか六面体の結晶 この内部に粒状で観察されることがある 極めて小さな粒状自然金
硫化物の脈の周辺辺りを見落とさないよう注意されたい











自然金
硫化物が分解し溶脱した空隙内部に粒状で確認されることがある 画面左右約2ミリ











自然金
硫化物の溶脱した部分に極めて細く短い針状の自然金が観察されることがある 微細な雲母状鉱物が覆っている
径0.1ミリ以下 ルーペでも採集現場では分かりにくかった











自然金
雲母状鉱物で覆われている微細な針状自然金











自然金
テルル蒼鉛鉱の薄い層にに埋まっているタイプ 画面左右約10ミリ











自然金
硫化物(磁硫鉄鉱か)の端部に薄い箔状で観察された 画面左右約10ミリ











自然金・テルル蒼鉛鉱
自形結晶にも見えるが隙間を埋めていた陰象











デュモルチ石 Dumortierite Al7(BO3)(SiO4)3O3
綺麗な紫色の細柱状結晶の放射状集合 結晶の帯は3ミリほどの幅











デュモルチ石
短波長紫外線による蛍光の観察 蛍光はあまり強くないので暗いところで観察されたい
写真は20秒ほどの長時間露出 観察例では蛍光しない場合もあった










デュモルチ石
細柱状結晶の放射状集合が連続している










デュモルチ石











デュモルチ石
緑色の雲母や滑石と混じり合う紫色の結晶 層状構造が観察される
蛍石探索?記 《金鶏鉱山でフロー・・・》
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